【父の闘病生活】おれはあとどのくらい生きられる?/治療の説明/安心は人からもらうもの

両親とのわかれ・介護

父の見舞いに行く

1週間に1回。予約制。そして、たったの10分…。感染症対策なのだろうが、なかなか厳しい。タイマーをセットされる。それでも、2回目となると要領がつかめてきたので、効率よく話ができるようになった。

元気そうな父。極度の貧血のため車いすを使うように言われていたが、なんなく操作していた。うまいものだ。食事、睡眠は問題なし。

不安だらけの1週間

わが家はみんな3日以上の入院をしたことがない。しかも、父は薬すら飲んだことがない健康体。病院では何度も『薬手帳は無いのか?』と聞かれた。『勘違いしているといけないので、ご家族にもう一度聞きますね』とさえ…。そして、転院なんて初めての経験なのでどうなるのかわからなかった。転院先について、すぐ検査をして入院の説明を聞いて…あっという間に病棟へ行ってしまった。待たされることなくありがたいのだが、何せ医師からの治療の説明が無く不安で不安で仕方が無かった。病棟にも上がれなかったので、どんなところで生活をするのか、看護師はどんなひとたちなのか…Face to Faceを基本として働いてきた私としては、不安の材料しかなかった。

できることは、毎日電話がかかってくる父に質問をして励まし、医師と面談を申込み、面会の日を待つ。これだけだった。

これなら大丈夫!信頼ってひとに会わないと得られないもの…

面会の日。予定通り10分で終わり。タイマーセットをされる。看護師は見覚えのある顔。男性看護師がいる病棟で、ちょっと雰囲気が異なるのは気のせいだろうか。まずは着替えを渡す。用意していた新聞を忘れてきてしまった。ごめんね。次回は持ってくるね。高校野球がはじまるよ!

医師との面談が設定された。その前に、入退院担当の看護師と話ができた。なんとわが家のすぐ近くで、近くのスーパーによく行かれると聞いてびっくり!一気に親近感が増した。そして、何よりも安心感のあるベテランらしい内容を説明してくださった。逃げや作られた言葉は一切感じず、誠実で信頼をおけると思う。これは医師もそうだった。専門用語を多用することなく、わかりやすい説明だった。

現在の治療、血液検査の数値、投薬の経過、今後の治療計画、退院後の希望、そして質問。大変腑に落ちた。さらに、看護師からは介護申請の話、ケアマネジャーとの介護認定、ケアマネージャーの紹介方法など自宅に戻ってからのケアについて説明を受けて理解ができた。

俺はあとどのくらい生きられるの?

医師からの説明が終わった後、ドアを開けたら父が車いすで待っていた。あれ?もう面会は終わったけれど…

どうしたの?と聞くと

『俺はあとどのくらい生きられるの?』と。

医師からの話が私たちだけにだったので、不安がたくさんあったのだろう。薬の効果が出ていること、ただ即効性がある薬ではないのであと2,3週間は入院が必要と伝えた。

『そおか…』と悲しい声が聞こえた。

でも、貧血が改善されてきたから車いすは要らないって。歩いていいし、入浴も許可が出たよ。と精一杯の励ましを伝えた。私とオットは、この暑い中、自宅で過ごすより完全看護の病院のほうがどれだけ安心か。少し秋の気配が感じるころに自宅に帰ってこられるよ。それまで、初めての経験をたのしんでね。

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