【父の闘病生活】その3・転院入院~退院

両親とのわかれ・介護

入院1か月…?!不安しかない

転院先での入院は1か月を予定していると聞いた。前回の入院期間が予定通りだったので、医師の見立ては正確なのだろう。こういった感覚も、よくわかっていない…。病院によって特性があることを知った。

例えば…

A病院

  • 入院のデポジットは50,000円、クレジットOK
  • 面会は毎日、1回10分程度
  • 治療方針と退院の目安の説明がある
  • 食事と共にお茶が出る

B病院

  • 入院のデポジットは100,000円、現金のみ
  • 面会は週に1回、10分(タイマーで計られる)
  • 治療方針の説明は、後日医師との面会を予約する
  • 食事と共にお茶が出ない(アルコールがコンビニで買える?!)

大きなちがいはこんなところだったが、これは転院がある方は慣れるまでに戸惑うのだろうな…と思った。

看護師の雰囲気が異なるのもおもしろかった。医師に大きな差は感じなかったが、看護師はチームで仕事をしているからカラーが出やすいのだと思う。ひとがやる業務なのでトップが変われば、雰囲気は変わって行くものだ。年齢構成によって経験が左右される業務であるから、大きなちがいとなる要因だろう。

面会中止、院内感染クラスターが発生…

恐れていた院内感染をしてしまったと電話がある。父は発熱がほとんど無いし症状も無かったという。いま考えれば、基礎体力が高いのだろう。免疫抑制の薬を飲んでいるのにも関わらず、だから。転院前の大学病院でもクラスターが発生したと耳にした。面会をすれば当然持ち込まれるし、病院スタッフたちにもそれぞれの生活があるから感染源となるのは仕方がない。最初は青ざめたが、すぐに点滴を受けられたのが父を元気にしたのではないかと思う。スタッフの方々が一番大変だったと思う。3年半前の病院の混乱を考えると…ずっと対峙し続けている彼らには頭が下がる思いだ。

退院の目安が近づいてきたけれど…

1日でも早く退院させたいと思っていたが、そうはいかない。結果的に医師の見立て通りであった。薬は順調に効いていて、どんどん数値が良くなっている。薬の量が少しずつ少しずつでも着実に減っている。退院してきたとき、どんな状態なのかがわからないのがわたしの不安であった。わたしたちの生活は元に戻るのか?戻らないのなら、どの程度サポートが必要なのか。退院はうれしいけれど、そんな気持ちがあり疲労が蓄積されていた。

それにしても、はたらいていたら、あの仕事をつづけていたら…おそらくわたしも通院が必要になっていたのではないかと思う。考え方の問題なのだろうが、コントロールできないことに気を取られてしまう傾向がある。以前、母が調子を崩した時に介護のウェビナーを受けたことがある。介護離職をしないために、という内容だった。

『介護する側、される側。双方のためにプロに任せましょう』

この言葉は頭に残っていた。プロに任せるにしてもそのプロセスがわからない。身近にモデルがいない。そんなことを漠然と考えながら、仕事は進んでいく。疲れている中で、それを調べたり考えたりする時間が取れたのか…。わたしはその後、会社員を辞めた。あのときのことを思い出すと、いまでも不安になる。そういう方がたくさんいるのだろう。

不安があったら、まず『親が住む地域包括センター』へ連絡を取る

介護離職をしないためのウェビナーでは、『地域包括センターへ連絡をする』と何度も言っていた。母のときは、必要がなくなったのですっかり忘れていた。しかし、世の中には突発的に必要となる場合がたくさんあるのだろう。それを会社がサポートしてくれていたら、どれほど心強いか。わたしはそう思った。

テレビで大手建設機器メーカーの取り組みが紹介されていた。社員に介護が必要になったときのプロセスを説明しておく。その道のプロからである。その方は、わたしが受けたウェビナーの講師だった。そして、会社は匿名で参加できる相談会を開催しているそうだ。

日本では介護離職だけでなく、労働生産性の低下により多額の経済損失も大きな問題となっている。この企業は、元々介護支援に力を入れてきたが制度を活用されていないことがわかった。活用されていない理由は、会社には言いにくいから外部の支援を利用していたという。この気持ちは会社員であったわたしに分からなくもない。そこで、先に書いた『匿名で参加ができる相談会』である。こんな福利厚生がある企業が増えたらいいねと、オットもうなづいていた。

他者には話しにくいことかもしれないが、立ち止まるのが怖いかもしれないが、そんなことは言っていられない。これは日本人の特性なのだろうか。がんばるだけがんばって無理をして、気づいたら大事になって長期休職をせざるを得ないひとが多いのもよく聞く話だ。誰でも平等に老年になり、死んでいく。このことをもっと堂々と話していくことができたらいいのに。身近に話せるひとがいなくても、法律や自治体の支援がある。プロの話をウェビナーで聞いておくだけでも安心ができるはずだ。わたしのように。

健康診断のように、可能性があるひとへ必須説明なんかがあるといいね。『制度』が載っているイントラを見る余裕があるひとばかりではないから…。

少し脱線をしたが、父が退院した後の不安を書いてみた。闘病している本人とは異なる不安が、家族にはあるはずだから…。

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