やっとのことで遺言書を書く
ひとには向き不向き、得手不得手がある。わたしは、行政の書式がとにかく苦手。古い言い回しや、堅苦しい単語の羅列…読む気になれない。となると、やらなきゃな~と思っても後回しになる。母が亡くなり、父が亡くなり、とにかく手続きが大変だった。(というか、わたしは何もやっていない…笑)すべて、オットがやってくれた。ありがたい。
でも、遺言書についてはオットに代わりに書いて~というわけにはいかない(よね…)。法務局に行く日を予約してしまったので、ギリギリで腰を上げた。
オットがこれを見ながらやればいいと、だいぶ前にリンクを教えてくれていた。それを探すところから始まった…笑。
自筆証書遺言書保管制度って?
法務省がはじめた、『自筆証書遺言書保管制度』。3900円を支払って、わたしが書いた遺言書を保管してもらうという、その字のごとくの制度である。いままでは、公証役場・信託銀行が保管先の中心だと思うが、2020年から法務省がはじめた制度。
メリットは
- 手続きが簡単(実際に45分間で終了)
- 安い
- WEBを見れば簡単に作成できる
デメリットは
- あくまでも『保管』が目的。遺言内容にはチェックが入らず、不備があっても気がつかない
- 管轄の法務局へ事前に予約が必要(WEB、電話、窓口にて)
- 内容を変更する場合は、再度3900円がかかる
なぜ遺言書を書くことになったか
わたしには子どもがいない。そして、両親が他界した。わたしが死亡した場合、法定相続人は現段階でふたり。①オット②姉。
オット:3/4
姉:1/4
例えば、100万円を残したら
オット:75万円
姉:25万円
これが法定相続である。
両親が他界してから、遺産分割協議をして相続手続きが終わった。その手続きの中で、子どもがいないわたしの遺産が、すべてオットに行くわけではないと初めて知った。わたしが死亡したところで大したお金はないのだが、それを姉に相続させるというのは違和感があった。やはりオットにすべて残してあげたい。わたしはそう考えた。
そこで、遺言書の作成である。自筆証書遺言書保管制度を利用すれば、わたしの思いがカタチになる。弁護士や司法書士へ依頼するほどの内容では無いし、何しろ『無職』なので定期的な収入が無い。聞くところによると万単位がかかるらしい。ここはケチケチいきたいところだ。しかも、オットは知識が豊富なので、教えてもらえばいい(タダだしね♪)。わたしは、不動産、現預金、証券、負債無しなのでとてもシンプル。金額は増えても、金地金・ジュエリー・絵画に化けることは無い。変化球の資産は、グランドピアノ?!笑。
少し脱線したが、わたしは今後もシンプルな資産しか持たないと考えている。だから、自作の遺言書を作るのはあっという間にできた。もっと早くやればよかった…笑。
自筆遺言書の書き方ポイントと手続き
- 遺言書はすべて自筆(手書き)
- 署名、捺印が必須
- 『目録』はパソコン作成OK(ただし、自筆の署名・捺印が必須)
- 申請書をダウンロードしパソコン(自筆も可能)で作成
※わたしの目録は、現預金・不動産・証券の3つだけ
シンプルな財産の方は、自作が可能だと思う。『自筆証書遺言書保管制度』と検索すれば、参考文例がたくさん出てくる。ちょっと複雑な相続をしたい方はプロに頼むのがいいかもしれないが、わたしのように『子どもがいないから…』という場合で財産の種類がシンプルならば、これで十分な気がする。ただし、住宅ローンなどの負債がある方は、一度調べてからのがいいと思う。
申請は45分で完了した。予約した時間に、管轄の法務局へ出向き提出。遺言書をデータ化するために待ち時間がある。その間に収入印紙を購入し時間が来たら窓口へ。印紙を貼り付けて、保管証をいただいて終了。想像以上に早く終わった。
遺言作成者の情報(氏名や住所など)に変更があった場合は、『変更』手続きができる。ただ、遺言の内容を変更(ケンカが増えて、やっぱりオットには3/4にする!とかね、笑)する場合は、すでに提出してある遺言書を『取消』して、新たに保管を依頼することになる。ここで、保管料3900円がまたかかることになる。
法務省・自筆証書遺言書保管制度には、管轄の法務局は以下の通り。
- 遺言者の住所地
- 遺言者の本籍地
- 遺言者の所有する不動産の所在地
いずれかで保管ができる。わたしは、生まれてからほとんどこの家に住んでいるので、とてもシンプル。1~3すべて同じである。あちこちに不動産を所有している方や相続人が複数名の場合は、複雑になるのかもしれない。シンプルだし、控えめな財産で良かったことにする、笑。
最後に、姉には事前に説明をして了承を得ている。なんでも、話しておくことが大切だと考えている。
そういえば、『子どもがいる女性』へのサービスは無数にあるけれど、『子どもがいない女性』へのサービスって少ないなぁと感じたことがあった。こんな情報が、子どものいない方々に届くといいな。
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