韓国の友だち、ヨンさんが亡くなったと聞いた。4月に2日連続で食事をしたばかりだったのに…。その夜はよく眠れなかった。
日本が好きで、日本に住みたいとリタイアしてから何度も来日した。ひょんなことから友人の家に3週間暮らし、その間に住居を探した。わたしは会社員をやめていて自由だったから一緒に探した。簡単には見つけられないことがわかり、語学学校へ突撃訪問もした。そんな風にして、来日するといつも会っていた。
サックスを吹くひとだったから、わたしが主宰するコンサートで演奏を披露してくれた。言葉の壁はあったけれど、打ち上げではニコニコしながら翻訳ソフトを使いながら音楽仲間たちとコミュニケーションをとっていた。
まだ父が元気なころ、わが家でチヂミパーティをした。料理もお菓子作りも得意でライセンスを取得してとても器用なひとだった。1日でも生まれが早い人には絶対的なサポートをする儒教の精神を知った。わが父にもとても親切だった。
リフォームが済んだらまたわが家でチヂミパーティをしようねと4月に約束をしていた。来年はわたしが訪韓する約束をしていた。
言葉のせいか性格かわからないけれど、もの静かでいつもニコニコしていた。そして、年下のわたしにも気遣いを忘れないひとだった。
主宰するコンサートは16回を数える。毎年多くの方が参加してくれているが、演者で亡くなった方はまだいなかった。参加者の年齢が上がるにつれて、いつかこういう日が来る。そのときに何をしようかこの数年ずっと考えている。
音楽仲間たちを誘って、思い出の店で弔いをしよう。そして、この夏のミニコンサートではヨンさんを讃える企画を計画しよう。
わたしは旅が好きだけれど、お金を出して回る観光には興味がなくなった。行った地で小さな出会いがあれば、それを大切にしていきたいと思う。ヨンさんがわたしたちにそうしてくれたように。いまとなってはもう聞くことはできないけれど、きっと楽しかったってことだよね?わたしたちは間違いなく楽しくしあわせな時間でした。
素敵な出会いをありがとう。
わたしたちの街を好きになってくれてありがとう。
心から感謝しています。
安らかに眠ってください。
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